介護施設・デイサービスの経営において、稼働率は収益の根幹です。定員に対して稼働率80%を切ると固定費の回収が厳しくなります。本記事では稼働率改善のための実践的な施策を解説します。
稼働率が下がる主な原因
- 利用者の退所・死亡に対して新規獲得が追いつかない
- 担当ケアマネジャーとの関係が希薄で紹介が来ない
- 競合施設の新設・増設による需要の分散
- サービスの質・特色が伝わっておらず選ばれない
- 利用者の重度化に伴うサービス変更(特養→医療機関)
ケアマネへの効果的な営業
営業の基本:訪問ではなく「情報提供」の姿勢で
ケアマネジャーへの営業で最もよくある失敗は「紹介をお願いします」という営業スタイルです。ケアマネは利用者の最善を考えて事業所を選ぶ専門家です。「うちの施設はこんな方に適しています」「こういう対応が得意です」という情報提供の姿勢が信頼関係を育てます。
事業所だよりの定期送付
月1回のA4両面「事業所だより」を担当ケアマネ・地域包括支援センターに送付することで、事業所の存在を継続的に伝えられます。内容は「今月のレクリエーション報告」「スタッフ紹介」「空き状況」「対応可能なケア」などが効果的です。
担当者会議への積極参加
サービス担当者会議にケアマネが同席する場面を丁寧に対応することが、ケアマネからの信頼獲得に直結します。会議の準備・議事録の迅速な送付・モニタリング結果の共有が「また任せたい」という評価につながります。
地域連携による新規獲得
- 地域の医療機関(退院後の受け皿として紹介関係を構築)
- 地域包括支援センターへの定期的な情報提供
- 自治会・老人会への出前講座・体験利用の案内
- 地域のかかりつけ医への情報提供(在宅医療連携)
- SNS・Googleビジネスプロフィールでの情報発信
デイサービスの体験利用促進
デイサービスでは「1日体験利用」を積極的に促進することが新規獲得の王道です。体験当日は「楽しかった」「また来たい」と思ってもらえるプログラムを準備し、体験後は担当ケアマネに速報を入れます。体験利用のハードルを下げるため「交通費補助」「昼食無料」などの特典も効果的です。
稼働率改善の目標設定
| 稼働率 | 経営状況 | 優先施策 |
|---|---|---|
| 90%以上 | 優良 | サービス品質の維持・スタッフ育成に投資 |
| 80〜89% | 標準 | 紹介数の維持・体験利用促進 |
| 70〜79% | 要注意 | ケアマネ営業強化・特色の明確化 |
| 70%未満 | 危険 | 経営コンサルタントへの相談・サービス内容の見直し |
稼働率改善は一朝一夕では達成できません。ケアマネとの関係構築・地域への認知向上・サービス品質の向上を継続することで、3〜6か月後に成果が現れます。まず自施設の稼働率と原因を正確に把握することから始めましょう。
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介護施設の稼働率が落ちる「見えない理由」と対策
介護施設の稼働率低下の原因として多いのは①退所後の入所待ちリストが薄い(新規紹介ルートの枯渇)、②地域からの認知度不足(施設の存在が知られていない)、③退所者増加(医療依存度の高い利用者の受け入れ可否)——の3点です。紹介ルートの多様化(居宅ケアマネ・病院MSW・地域包括支援センター・地域包括ケアシステムへの参加)が、稼働率を安定させる長期戦略です。特に新規開設施設は「認知度がゼロから」のため、地域への情報発信が最初の課題になります。
空床対策の短期施策と長期施策の使い分け
空床が出た場合の短期施策は「紹介依頼の即動き(かかりつけ居宅ケアマネへのアプローチ)」「ショートステイ枠の活用(緊急受け入れ対応)」が有効です。中長期では、施設見学会・SNS発信・地域イベントへの参加が「認知度の積み上げ」につながります。費用をかけずにできる施策として「既存入居者の家族へのアンケート」(紹介ポイントを把握)と「地元の医療機関への定期訪問」が稼働率維持に効果的と感じている施設長が多くいます。


