ケアマネジャー(介護支援専門員)の不足が深刻化しています。試験受験者数の減少・現役ケアマネの離職・高齢化が重なり、地域によっては新規利用者の受け入れが困難な居宅介護支援事業所も出てきています。本記事で現状と対策を整理します。
ケアマネジャー不足の実態
2026年現在、全国の介護支援専門員(ケアマネジャー)登録者数は約70万人ですが、実際に業務に従事しているのは約40万人程度とされています。特に「居宅ケアマネ」の不足が深刻で、一人のケアマネが担当できる件数(標準35件)を超えるケースも増えています。
| 指標 | 2020年 | 2023年 | 2026年(推計) |
|---|---|---|---|
| 受験者数 | 約55,000人 | 約53,000人 | 約48,000人 |
| 合格率 | 17.7% | 19.0% | 約20%(推計) |
| 実務従事者数 | 約42万人 | 約40万人 | 約38万人(推計) |
ケアマネが減少している理由
- 受験要件の厳格化(2018年改正):実務経験年数が5年以上に延長され受験者が激減
- 業務の複雑化:書類・記録・調整業務が増加し、業務負担が重い
- 賃金水準の問題:介護福祉士と比べて賃金格差が小さく、資格取得メリットが見えにくい
- 主任ケアマネ義務化:2021年から居宅介護支援事業所管理者に主任ケアマネが必要となり、事業所存続が困難に
- 高齢化:現役ケアマネの平均年齢が上昇し、定年退職による離職が増加
2026年の対策と制度変更
受験要件の見直し検討
厚生労働省では受験者数の回復に向け、受験要件の緩和を検討しています。現行の「5年以上の実務経験」の短縮や、特定の研修修了による受験資格付与などが議論されています。2027年以降の制度改正を視野に入れた議論が続いています。
処遇改善の取り組み
2026年改定では「特定事業所加算」の算定要件にICT活用が追加され、事業所の収益改善につながる改定が行われました。また「居宅介護支援費」の基本報酬が引き上げられ、ケアマネの処遇改善財源の確保が図られています。
ICT活用による業務効率化
ケアプラン作成支援AIや、モニタリング記録システムの導入が広がっています。従来は手作業が多かったケアプランの作成・サービス担当者会議の記録・実績管理などをデジタル化することで、1人当たりの担当件数を増やせるようになっています。
居宅介護支援事業所の選び方
ケアマネジャー不足の影響で、担当ケアマネがなかなか決まらないという利用者も増えています。地域包括支援センターに相談すると、地域のケアマネ情報を教えてもらえます。担当ケアマネを選ぶ際は、担当件数・得意分野・コミュニケーションの取りやすさを確認することをお勧めします。
介護支援専門員の仕事に関心がある方は、現在の職場でのキャリアアップとして資格取得を検討してみてください。受験資格の確認から始め、通信講座や専門学校での受験対策を進めることで、介護のキャリアの幅が大きく広がります。



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