2026年介護報酬改定で新設・拡充された生産性向上推進体制加算を算定するには、「介護職員の業務改善に継続的に取り組むことを宣言する誓約書」を都道府県または市区町村に提出することが要件のひとつです。本記事では誓約書の書き方・記入例・無料テンプレートを解説します。
生産性向上推進体制加算とは
| 区分 | 算定単位数(目安) | 主な要件 |
|---|---|---|
| 加算Ⅰ | 100単位/月 | 業務改善指針に基づく取組・LIFEデータ活用・外部評価実施 |
| 加算Ⅱ | 10単位/月 | 業務改善に係る取組誓約書の提出 |
加算Ⅱは比較的ハードルが低く、まず誓約書を提出し体制を整備することで算定が可能です。加算Ⅰへのステップアップを目指す施設の「入口」として活用できます。
誓約書に記載が必要な7つの事項
- ①事業所の基本情報(法人名・事業所名・管理者名・住所)
- ②生産性向上に向けた取組の基本方針(業務フロー見直し・ICT活用等)
- ③担当者の設置(生産性向上推進担当者の氏名・役職)
- ④取組の推進体制(委員会や会議の設置予定・開催頻度)
- ⑤取り組む業務改善の具体的内容(例:記録業務のICT化、介護助手の活用等)
- ⑥職員への周知方法(研修・掲示・会議での説明等)
- ⑦誓約日・代表者署名・押印
記入例
| 項目 | 記入例 |
|---|---|
| 法人名 | 社会福祉法人○○福祉会 |
| 事業所名 | 特別養護老人ホーム○○苑 |
| 管理者名 | 山田 太郎 |
| 担当者(生産性向上) | 介護主任 鈴木 花子(施設内推進リーダー) |
| 基本方針 | 介護業務の効率化とケア品質向上を両立するため、ICT機器の活用・業務フローの見直し・介護助手の導入を推進し、職員が直接介護に集中できる環境を整備する。 |
| 取組内容① | 2026年10月までに記録業務をタブレット端末(〇〇社システム)に移行し、手書き記録を廃止する。 |
| 取組内容② | 介護助手2名を採用し、食事準備・環境整備業務を移管する(2026年7月〜)。 |
| 取組内容③ | 毎月1回「業務改善委員会」を開催し、業務時間の計測と改善サイクルを実施する。 |
| 職員周知方法 | 月次職員会議での説明・事務所内への掲示・新入職員研修への組み込み |
誓約書 提出先・提出時期
- 提出先:事業所所在地の都道府県(施設系)または市区町村(居宅系)の介護保険担当課
- 提出時期:加算の算定を開始する前月末日まで(通常は前月15日〜末日が多い)
- 提出方法:郵送または電子申請(自治体により異なる)
- 注意:取組内容に変更が生じた場合は変更届の提出が必要なケースあり
算定要件のチェックリスト
| 確認事項 | チェック | 備考 |
|---|---|---|
| 誓約書を都道府県・市区町村へ提出済みか | □ | 加算算定月の前月末までに提出 |
| 生産性向上推進担当者を選任したか | □ | 役職・氏名を誓約書に明記 |
| 業務改善の取組内容を具体的に記載したか | □ | 抽象的な表現は要改善 |
| 職員への周知を実施・記録したか | □ | 会議録・研修記録で証拠化 |
| 取組の進捗を管理する会議・委員会を設置したか | □ | 定期開催の記録が実地指導で確認される |
実地指導で指摘されやすいポイント
誓約書の提出だけでなく、取組の実施記録が最も重要です。以下が実地指導で頻繁に指摘されるポイントです。
- 「ICTを導入した」という誓約に対し、実際の導入・活用記録がない
- 業務改善委員会の設置を記載しているが、会議録が作成されていない
- 担当者の名前はあるが、実際の推進活動の記録がない
- 職員への周知の記録(会議録・研修記録)がない
誓約書は「宣言」ですが、それに基づいた実際の取組記録を整備することで、加算Ⅰへのステップアップも見えてきます。


