「仕事と介護の両立支援」の義務化は、介護サービスを提供する事業者自身も“雇用主”として対応が必要です。職員が家族の介護を抱えて離職してしまえば、ただでさえ厳しい人手不足に直結します。ここでは、施設・事業所の管理者が2025年4月以降に整えるべき体制を、実務の手順で確認します。
義務化された4つの観点
事業主に求められるのは大きく「雇用環境の整備」「個別の周知・意向確認」「介護休暇の要件緩和」などです。自社の就業規則や運用が、これらに対応できているかをまず棚卸ししましょう。
管理者が踏むべき実務ステップ
- 就業規則・育児介護休業規程の確認と改定:勤続6か月未満を介護休暇の対象外にしていないか確認し、必要なら改定する
- 相談窓口の設置:誰に相談すればよいかを明確にし、職員へ周知する
- 研修の実施:管理職・一般職員向けに、制度の内容と使い方を共有する
- 個別周知の仕組み化:介護に直面した職員へ、利用できる制度を個別に案内し、意向を確認する流れを作る
- 事例の収集・提供:実際に制度を利用した事例(匿名化)を共有し、利用しやすい雰囲気をつくる
人手不足の現場こそ“言い出しやすさ”が鍵
制度を作っても、現場に「人が足りないのに休みづらい」という空気があれば使われません。管理者の役割は、制度の整備と同時に、早めに相談してもらえる関係づくりです。職員が介護の悩みを抱えたまま無理を重ねると、結局は突然の離職という最悪の形になりがちです。短時間勤務やシフト調整を“前向きな選択肢”として提示できるかどうかが分かれ目になります。
属人化させず仕組みで回す
相談対応や制度説明が特定の管理者だけに依存すると、その人が不在のときに対応が止まってしまいます。説明の手順や案内文を文書・動画でまとめ、誰が窓口になっても同じ案内ができる状態にしておくと、両立支援の質が安定します。新人教育やマニュアル整備と同じ発想で、両立支援も“仕組み”に落とし込むのがおすすめです。
まとめ
両立支援の義務化は、事業者にとって負担であると同時に、職員の定着を高めるチャンスでもあります。規程の見直し・窓口・研修・個別周知を一つずつ整え、相談しやすい現場づくりを進めることが、結果として離職を防ぎ、安定した運営につながります。
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この記事は「ふくしの素材館(kaigo-sozai.com)」が、介護・福祉の現場で働く方やご家族の役に立つ情報を整理してお届けしています。制度や数値は公開時点の情報です。最新の取り扱いは必ず公式情報・自治体・勤務先の規程でご確認ください。


