運営指導(旧・実地指導)は介護事業所が3〜6年に1回受ける行政指導です。書類だけでなく職員ヒアリング・現場確認も行われるため、書類整備だけでは不十分です。本記事では「当日の時間割」「職員研修の進め方」「事前準備チェックリスト」を実務目線で解説します。書類リストは 運営指導で必ずチェックされる必須書類まとめ をご覧ください。
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運営指導の概要
- 頻度:3〜6年に1回(自治体・サービス種別で異なる)
- 所要時間:半日〜1日
- 通知:原則1か月前に文書通知
- 指導担当:自治体高齢福祉課職員 2〜4名
- 形式:書類確認+ヒアリング+現場確認
当日の典型的タイムスケジュール
| 時間帯 | 内容 | 同席者 |
|---|---|---|
| 09:30 | 挨拶・指導の流れ説明 | 管理者・指導担当 |
| 09:45-11:30 | 運営関係書類確認(重要事項説明書・契約書・運営規程) | 管理者・事務 |
| 11:30-12:00 | 現場ラウンド(居室・浴室・厨房・記録庫) | 管理者・サ責/相談員 |
| 13:00-14:30 | 個別ケース確認(ケアプラン・記録・モニタリング) | ケアマネ・サ責 |
| 14:30-15:30 | 職員ヒアリング(管理者・主任・現場リーダー) | 個別に呼ばれる |
| 15:30-16:00 | 講評・指摘事項の確認 | 管理者 |
職員ヒアリングで聞かれる典型質問
管理者へ
- 研修計画と実施状況(虐待防止・身体拘束適正化・感染症・BCPなど)
- 苦情処理の体制と直近の対応事例
- 事故・ヒヤリハット報告の集計と再発防止策
- 人員配置基準の達成状況と夜勤体制
主任・現場リーダーへ
- 身体拘束をしている方の人数・理由・3要件の判断プロセス
- 褥瘡発生時の対応フロー
- 看取り対応の手順と家族への説明
- 新人教育の進め方
一般職員へ(抜き打ちで聞かれることも)
- 「虐待を発見したらどうしますか?」
- 「身体拘束の3要件は?」
- 「災害時の初動は?」
- 「個人情報を持ち出すときのルールは?」
これらに即答できない職員が多いと、研修実態を疑われます。
事前研修の進め方(3か月前から)
3か月前
- 運営指導通知が来たら全職員に共有
- 当日対応チーム(管理者・主任・事務)を決定
- 過去の指導講評資料を再読
2か月前
- 必須研修(虐待防止・身体拘束適正化・感染症・BCP)の実施記録を全件再点検
- 未実施があれば前倒しで実施
- 研修記録の体裁を統一
1か月前
- 職員ヒアリング想定問答集を作成
- 朝礼・申し送りで主要ポイントを毎日1問共有
- 個別ケース10件をサンプル抽出して書類確認
2週間前
- 現場ラウンドの目視点検(掲示物・避難経路・備蓄)
- 記録庫の整理整頓
- 主任・リーダー対象の想定問答ロールプレイ
当日前日
- 来訪者対応の役割確認(受付・案内・お茶出し)
- 会議室の準備(書類山積みは印象が悪い・整理して陳列)
- 全職員へ「身だしなみ・挨拶・名札」最終確認
現場ラウンドで見られるポイント
- 掲示物:運営規程・重要事項説明書・苦情窓口の掲示
- 避難経路:避難口の表示・通路の障害物
- 備蓄:BCP連動の備蓄リストと現物の一致
- 身体拘束:4点柵・つなぎ服・離床センサーの実際の使用状況
- 記録:過去6か月の記録の整合性(ケアプランと実施記録)
- 個人情報:パソコン画面ロック・書類の施錠保管
講評・指摘事項への対応
指導終了時に口頭で講評があり、その後正式な文書通知(指摘事項・改善報告期限)が届きます。
- 指摘内容を全職員に共有
- 改善計画書を期限内に提出
- 改善実施後、報告書を提出
- 次回までに同じ指摘を繰り返さない仕組み化
避けるべき失敗
- 当日になって書類を必死で揃える → 普段の整理整頓不足が露見
- 管理者が一人で全部答える → 「現場に浸透していない」と判断される
- 「分かりません」を連発する職員 → 研修不足を疑われる
- 言い訳・反論をする → 関係悪化、次回が厳しくなる
関連リソース
※自治体ごとに指導の重点項目が異なります。最新の運営指導要綱は所管自治体(都道府県・指定都市)の公式情報をご確認ください。


