ケアマネジャー(介護支援専門員)が作成するケアプランは、利用者の介護サービスの方向性を決める最重要書類です。2026年度のケアマネジメントの変化と、ケアプランの書き方・例文を実務目線で解説します。
ケアプランとは何か(基本のおさらい)
ケアプランは正式には「居宅サービス計画」(在宅)または「施設サービス計画」(施設)と呼ばれます。第1表(居宅サービス計画書(1))・第2表(居宅サービス計画書(2))・第3表(週間サービス計画表)の3種類が基本となります。
ケアプランは利用者本人・家族の意向を最大限尊重した上で、生活全体の課題(ニーズ)を整理し、達成すべき目標とサービス内容を定めるものです。「サービスを決める書類」ではなく「その人の生活を支えるビジョンを描く書類」と理解することが重要です。
2026年改定によるケアマネジメントの変更点
2026年改定では「居宅介護支援費」の算定要件が見直されました。主な変更点は①「逓減制」の緩和(ICT活用事業所における担当件数上限の引き上げ)、②「モニタリング訪問」の頻度要件の見直し(状態安定の利用者は2か月に1回も可)、③「質の高いケアマネジメント」を評価する加算の新設、の3点です。
第1表の書き方と例文
第1表の「利用者及び家族の生活に対する意向」欄は、面談で聞き取った言葉をそのまま(またはそれに近い形で)記載することが基本です。
【良い例】「足腰が弱くなっても、なるべく自分で歩けるようにしたい。また、友人との外出も続けたい。(本人)」「母が安全に生活できれば安心です。転倒が心配なので、リハビリをお願いしたいです。(長女)」
【悪い例】「ADL維持のための訓練を希望している。介護負担の軽減を希望。」→専門用語が多く、本人・家族の言葉になっていない
第2表の長期目標・短期目標の書き方
長期目標は「この人が将来どうありたいか」、短期目標は「その達成に向けた3〜6か月の具体的な目標」です。
| ニーズ | 長期目標 | 短期目標 |
|---|---|---|
| 転倒せず安全に歩けるようになりたい | 安全に自室〜食堂を歩いて移動できる | 毎日20分の歩行訓練を継続できる |
| 毎日入浴したい | 週3回、浴槽に入ることができる | シャワーを安全に使えるよう入浴動作を練習する |
| 家族と外食を楽しみたい | 季節に1回、家族と外出できる | 外出時の移動を安全に行えるよう準備する |
ケアプラン作成でよくある間違い
- 「サービスありき」のケアプラン:先にサービスを決めてから目標を後付けしてしまう
- 本人不在のケアプラン:家族の意向のみが優先され、本人の意向が反映されていない
- 長期目標が抽象的すぎる:「充実した生活を送る」では評価・モニタリングができない
- コピペの多用:前回のケアプランをほぼそのままコピーし、変化が反映されていない
当サイトではケアプランの書式テンプレート(第1〜3表)を無料配布しています。介護保険の告示に準拠した様式ですので、そのままお使いいただけます。また介護記録・モニタリング記録のテンプレートも合わせてご活用ください。
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現場ケアマネが陥りがちなケアプラン作成の「手続き漏れ」
ケアプランで実地指導の指摘を受けるケースの多くは、内容の問題より「手続きの漏れ」です。アセスメント日→担当者会議開催日→計画書交付日の日付順序の逆転(計画書を先に作ってアセスメント後付け)、担当者会議の議事録に全参加者の署名がない、利用者・家族の同意署名日が計画書作成日より前になっている——これらは「実際には適切にやっていても書類上NG」になる典型的なミスです。2026年改定でモニタリング頻度の要件も変わったため、計画書の見直し日とモニタリング記録の整合性を必ず確認してください。
利用者の生活目標を具体的に書くための技法
ケアプランの「目標」欄に「健康を維持して生活する」のような抽象的な表現を書くと、実地指導で「具体性がない」と指摘されます。目標設定で意識すべきは「利用者の言葉」と「観察可能な状態」の組み合わせです。例:「毎日の散歩を続けて、孫の運動会に参加したい(本人の言葉)→6ヶ月後に施設周辺を30分歩行できる状態を維持する(観察可能な目標)」のような書き方が、審査員・指導員の評価が高いケアプランのパターンです。


