福祉用具・住宅改修は在宅介護を支える重要な介護保険サービスです。2026年改定では貸与・販売制度の整備が進み、適切なアセスメントに基づく用具選定がより重視されるようになりました。本記事で主な変更点と制度の使い方を解説します。
福祉用具貸与の仕組みと2026年変更点
| 区分 | 主な品目 | 対象要介護度 |
|---|---|---|
| 貸与のみ | 車いす・特殊寝台・床ずれ防止用具・体位変換器・移動用リフト等 | 要介護2以上が原則 |
| 貸与・販売選択 | 固定用スロープ・歩行器・歩行補助つえ・単点杖等 | 全要介護度 |
| 販売のみ | 腰掛け便座・入浴補助用具・簡易浴槽・移動用ベルト等 | 全要介護度 |
2023年の改定で一部の福祉用具が「貸与・販売選択制」に移行しました。2026年改定ではこの選択制について「選択の経緯と理由をケアプランに記載する」ことが義務化され、適切なアセスメントに基づく選択が求められるようになっています。
貸与上限額の仕組み
福祉用具貸与には「全国平均貸与価格」と「上限額(平均+1標準偏差)」が設定されています。2026年現在の上限額の目安は、車いす1万円/月、特殊寝台1.7万円/月、床ずれ防止用具8,600円/月、移動用リフト(床走行式)1.7万円/月となっています(参考値)。
平均貸与価格を大幅に上回る用具を選択する場合、福祉用具専門相談員は利用者・家族に対して複数の類似用具との比較説明をすることが求められています。
住宅改修の制度
住宅改修は要支援・要介護認定を受けた方が自宅を改修する費用の一部を介護保険が補助する制度です。上限は20万円(自己負担1〜3割)で、同一住宅での改修が対象です。
- 手すりの取り付け(廊下・浴室・トイレ・玄関等)
- 段差の解消(玄関・床の段差・スロープ設置)
- 滑り止め・移動の円滑化(床材の変更)
- 引き戸等への扉の取替
- 洋式便器への取替
住宅改修の手続き
住宅改修は①ケアマネへの相談→②「事前申請」(工事前に市区町村へ申請が必要)→③工事実施→④完成後の写真・領収書を添えて「支給申請」の手順が必要です。工事前の申請を忘れると介護保険の補助が受けられないので注意が必要です。
ケアプランへの位置づけ
2026年改定では福祉用具・住宅改修の選択根拠をケアプランに明確に記載することが強化されました。「なぜこの用具が必要か」「どのような目標達成のために使用するか」を第2表の目標・サービス内容と連動させて記載することが求められています。
福祉用具の相談は担当のケアマネジャーまたは福祉用具専門相談員に相談してください。市区町村の介護保険窓口でも相談を受け付けています。
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2024年改定の福祉用具「販売・貸与選択制」に対応するための実務ポイント
2024年4月から固定用スロープ・歩行器・単点杖・多点杖が「貸与または販売」の選択制になりました。利用者・家族への説明義務が生じたため、従来どおり「貸与で手続き」という説明では不十分です。選択説明書に「貸与と販売それぞれのメリット・デメリット・費用の比較」を記載し、利用者の理解と同意を書面で確認することが義務です。長期間使用が見込まれる用具は販売が経済的になるケースもあるため、利用者ごとの利用期間見通しを考慮した提案が求められます。
住宅改修の費用上限・申請手続きで利用者が迷いやすいポイント
介護保険の住宅改修は、同一住宅・同一被保険者で生涯20万円が支給上限です。要介護度が3段階上がった場合または転居した場合に上限がリセットされます。申請の流れは「事前申請(工事前に自治体へ)→工事実施→費用請求」ですが、事前申請を忘れて工事を先に始めてしまい保険が使えないケースが実際にあります。施設スタッフやケアマネが関わる場合は「事前申請が必須」という案内を在宅の利用者・家族に早めに伝えることが重要です。


