介護保険は3年ごとに見直されており、次の大きな改正は2027年度(第10期介護保険事業計画の開始)に予定されています。社会保障審議会の介護保険部会・介護給付費分科会では、すでに改正に向けた議論が始まっています。ここで紹介するのは、いずれもまだ決定ではなく“検討中の論点”です。今後の議論で変わる可能性がある前提でお読みください。
改正のスケジュール
2027年度の制度改正が法律として成立すれば、新しい仕組みは第10期介護保険事業計画が始まる2027年4月から順次施行される見込みです。介護保険部会では、冬ごろを目途に意見の取りまとめが行われる方向で議論が進められています。
論点①:利用者負担2割の対象拡大
現在、所得が一定以上の方は介護サービスの自己負担が2割(または3割)になっています。この2割負担の対象範囲をどこまで広げるかが論点の一つです。利用者負担の見直しは、第10期計画期間が始まる前までに結論を得ることとされており、家計への影響が大きいテーマとして注目されています。
論点②:ケアプランの有料化
居宅介護支援(ケアマネジメント)は、現在は利用者の自己負担がありません。これを他のサービスと同じように利用者負担の対象にするかどうかが、長く議論されてきた論点です。導入されれば家計負担が増える一方、ケアマネジメントの質や利用控えへの影響を懸念する声もあり、賛否が分かれています。
論点③:要介護1・2の総合事業への移行
訪問介護・通所介護のうち、比較的軽度とされる要介護1・2の方へのサービスを、市町村が運営する「総合事業」へ移すかどうかも論点です。実現すれば、地域によってサービスの内容や担い手が変わる可能性があり、利用者・事業者の双方に影響が及びます。これも結論は出ておらず、継続して検討されています。
論点④:処遇改善と人材確保
介護人材が他産業へ流出するのを防ぐため、介護従事者のさらなる処遇改善も大きなテーマです。制度の持続可能性(財源)と、現場で働く人の待遇改善をどう両立させるかが問われています。
まとめ
2027年度の介護保険制度改正では、2割負担の拡大・ケアプラン有料化・要介護1.2の総合事業移行などが論点になっています。いずれも現時点では決定していない検討段階です。利用者・ご家族・事業者のいずれにとっても影響の大きいテーマなので、厚生労働省の審議会資料など一次情報を追いながら、確定情報を見極めていきましょう。
あわせて読みたい
この記事は「ふくしの素材館(kaigo-sozai.com)」が、介護・福祉の現場で働く方やご家族の役に立つ情報を整理してお届けしています。制度や数値は公開時点の情報です。最新の取り扱いは必ず公式情報・自治体・勤務先の規程でご確認ください。


