認知症利用者のアセスメントは「本人に聞いても答えられない」「家族の意見が本人と食い違う」「日によって受け答えが違う」など、特有の難しさがあります。本記事では症状別の聞き取り方と本人意向の引き出しコツを解説します。
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認知症アセスメント 3つの基本姿勢
- 本人を主体に:家族の意見だけでケアプランを作らない
- 残存能力に着目:「できないこと」より「できること」を見る
- 観察と聞き取りの併用:会話だけで判断しない
認知症の症状別 アセスメントのコツ
1. 短期記憶低下が強い場合
- 「今日のお昼は何を食べましたか?」より「お昼ご飯は美味しかったですか?」
- 本人の答えを「正解」より「気持ち」で受け止める
- 同じ質問を別の言い方で2〜3回試す
- 家族・他職種の観察情報で補完
2. 見当識障害がある場合
- 時間・場所の質問は最初に簡単なものから(HDS-R等で評価)
- 「今、季節はいつでしょうか?」程度の質問から
- 不安そうにしたらすぐ別の話題へ
- 正解を訂正せず、自然に話を流す
3. BPSDがある場合
- 不穏・興奮時は面接を中止し別日に
- 易怒性のあるテーマ(過去のトラブル等)は避ける
- 本人がリラックスできる話題から入る(昔の仕事・子育て等)
- BPSDの引き金(時間帯・場所・人・きっかけ)を観察
4. 失語・コミュニケーション障害がある場合
- はい/いいえで答えられる質問にする
- 絵カード・写真を使う
- 家族との関係・本人の表情から意思を読み取る
- ジェスチャーや指差しで補完
本人意向を引き出す3つのアプローチ
1. 回想法的アプローチ
過去の楽しかった時期の話を引き出すと、本人の価値観や好みが見えてきます。
- 「お若い頃、どんなお仕事をされていましたか?」
- 「子どもさんが小さかった頃の思い出は?」
- 「お料理で得意なものは何でしたか?」
2. 観察ベースアプローチ
言葉での意向確認が難しい場合、行動観察から本人の好みを推測。
- 食事中に好んで食べるもの
- レクで自然と参加する活動
- 居室での過ごし方
- 表情が和らぐ場面
3. 家族・近親者情報補完
家族から、本人が元気だった頃の価値観・好み・大切にしていたものを聞き取る。
- 本人の口癖・座右の銘
- 趣味・楽しみ
- 大切にしていた人間関係
- 絶対に嫌だったこと(食べ物・行動)
アセスメント実施のタイミング
- 本人の調子が良い時間帯(多くは午前中)
- 食後すぐは避ける(眠気)
- BPSDが落ち着いている日
- 家族がいる場合と別の場面を組み合わせる
家族の意見と本人の意向が食い違う場合
- 両方を記録(家族意見と本人意向を別欄)
- BPSDの背景を多職種で検討
- 本人意向を尊重しつつ家族介護負担も考慮
- サ担会議で多職種共有
記録のポイント
- 本人の言葉をそのまま引用(「」付き)
- 表情・態度も併記
- 家族情報と本人情報を区別
- 確認できなかった項目は「未確認」と明記
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アセスメントシート、認知症ケア計画書、BPSD対応の基本、認知症基本法もご参照ください。
まとめ
認知症利用者のアセスメントは「本人主体」「残存能力」「観察と聞き取りの併用」が原則。回想法的アプローチと観察ベースを組み合わせて、本人の意向を丁寧に引き出してください。


