高齢者の熱中症予防と介護現場での対策【症状・対応手順・チェックリスト2026年版】

介護知識・お役立ち記事

高齢者の熱中症は命に関わる緊急事態です。2025年夏も記録的な猛暑が続き、介護施設での熱中症による搬送件数が増加しました。本記事では高齢者に熱中症が多い理由と、介護現場での具体的な予防・対応策を解説します。

なぜ高齢者は熱中症になりやすいのか

高齢者が熱中症になりやすい理由は主に4つあります。①体内水分量の低下(高齢者は成人の60%に対して50%程度)、②発汗機能の低下(体温調節が遅れる)、③のどの渇きを感じにくい(脱水していても気づかない)、④心臓・腎臓機能の低下(水分バランスの調整が難しい)、です。

また認知症の方は「暑い」「水が飲みたい」という自覚症状を表現できないことがあり、介護職員が積極的に状態を観察・確認することが重要です。利尿薬や降圧薬を服用中の方は特に脱水リスクが高まります。

熱中症の症状と重症度分類

重症度主な症状対応
Ⅰ度(軽症)めまい・立ちくらみ・筋肉痛・大量発汗涼しい場所で休息・水分補給
Ⅱ度(中等症)頭痛・嘔気・倦怠感・集中力低下医療機関受診・経口補水液
Ⅲ度(重症)意識障害・けいれん・高体温(40℃超)救急搬送(119番)

Ⅲ度の熱中症は放置すれば死亡する可能性があります。意識がない・呼びかけに反応しない・けいれんしている場合は即座に119番通報し、AEDの準備を行います。

介護施設での予防策8つ

  • 室温管理:施設内28℃以下を目安に空調を調整。特に夜間・早朝の管理を徹底する
  • 定期的な水分補給:2時間に1回以上、声かけをして水分を摂ってもらう。お茶・水・スポーツ飲料など
  • 水分摂取量の記録:1日の目標水分摂取量(体重×約30ml)を設定し、記録する
  • 服装の確認:利用者が暑い季節でも冬物を着ていることがある。本人の感覚だけに頼らず確認する
  • 涼しい環境の確保:日差しが入る部屋のカーテン・ブラインドを閉め、扇風機・サーキュレーターを活用
  • 活動時間の調整:屋外活動や入浴は涼しい時間帯(午前中・夕方)に実施
  • 観察の強化:普段と違う表情・動作(ぼんやりしている・顔が赤い等)に気づく体制を整える
  • 職員自身の熱中症予防:介護職員も熱中症になりうる。声をかけ合い、水分補給・休憩を取る

経口補水液の作り方・活用方法

市販の経口補水液(OS-1等)は有効ですが費用がかかります。自家製経口補水液は水1Lに砂糖40g(大さじ4.5杯)・食塩3g(小さじ0.5杯)・レモン汁少々で作れます。ただし腎臓病・高血圧・糖尿病の方は成分に注意が必要なため、使用前に主治医に確認してください。

熱中症が疑われるときの対応手順

①涼しい場所(冷房の効いた室内)に移動する→②衣服を緩め、首・脇の下・太ももの付け根を冷やす(氷のう・濡れタオル)→③意識がある場合は経口補水液や水を少量ずつ飲んでもらう→④バイタル測定・意識レベルの確認→⑤症状が改善しない・意識障害がある場合は119番通報→⑥管理者・家族へ報告。

熱中症対応のマニュアルと、職員への周知が予防の第一歩です。毎年夏前に職員研修と施設内の環境チェックを実施する体制を整えましょう。当サイトでは熱中症対応チェックリストのテンプレートも配布しています。

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