介護施設と医療機関の連携強化ガイド【在宅医療・訪問診療・入退院連携2026年版】

介護知識・お役立ち記事

医療依存度の高い高齢者の増加とともに、介護施設と医療機関の連携は年々重要性を増しています。2026年度も「医療・介護連携」は制度改定の主要テーマであり、入退院時の情報共有・訪問診療との連携・看取りに至るまでシームレスな連携体制の構築が求められています。

介護・医療連携が必要な場面

  • 入院時:施設の介護情報(服薬・ADL・認知症状態)を病院に提供する
  • 退院時:病院の治療経過・医療処置・リハビリ状況を施設で引き継ぐ
  • 日常診療:嘱託医・協力病院との定期的な情報共有
  • 緊急時:容体急変時の救急搬送ルール・連携病院への即時連絡
  • 看取り期:訪問診療医との連携・看取り計画の共同策定

入退院時連携に関わる加算(2026年度)

加算名対象内容
入院時情報連携加算Ⅰ居宅介護支援入院3日以内に情報提供:200単位
入院時情報連携加算Ⅱ居宅介護支援入院4〜7日以内に情報提供:100単位
退院・退所加算居宅介護支援退院時のカンファレンス参加:600〜900単位
医療連携体制加算グループホーム等医療機関との連携・看護師の定期訪問
特別診療費(老健)介護老人保健施設入所中の医療サービス費

[adsense]

入退院連携を円滑にする実践的ツール

①介護情報提供書(入院時)

入院時には「介護情報提供書」を作成し、病院のソーシャルワーカー・看護師・医師に提供します。記載すべき主な内容は以下のとおりです。

  • 認知症の有無・BPSD(行動・心理症状)の状況
  • ADL(食事・排泄・入浴・移動)の自立度
  • 内服薬一覧(お薬手帳のコピーも有効)
  • かかりつけ医・嘱託医の連絡先
  • 家族の連絡先・緊急連絡人
  • 本人・家族の意向(延命・手術等への希望)

②退院前カンファレンスへの参加

ケアマネジャーや施設相談員は、退院前カンファレンスに積極的に参加することが重要です。病院のリハビリ・栄養・医療処置の状況を直接把握することで、退所後のケアプランの精度が上がります。入院中から連絡を取り合い、退院の1〜2週間前にはカンファレンスを設定する準備をしましょう。

訪問診療・嘱託医との連携を強化するコツ

  • 月1回以上の定期診察時に看護師・相談員が同席し、気になる点を共有する
  • 電話連絡のルールを明確化:緊急度に応じた連絡先・時間帯を決めておく
  • 嘱託医に定期的な施設内研修や事例検討会への参加を依頼する
  • 24時間対応できる医療機関(24時間往診可能クリニック)との協定書を締結する
  • 薬剤師・歯科医師とも連携し、多職種での健康管理体制を整える

医療依存度の高い利用者への対応

経管栄養・喀痰吸引・インスリン注射・褥瘡処置など、医療行為が必要な利用者の受け入れは、看護師配置と医療機関との緊密な連携が前提です。特養・老健では医療処置対応が可能ですが、グループホームや通所介護での対応範囲には制限があります。介護職員が行える医療的ケアの範囲(喀痰吸引・経管栄養は研修修了者のみ)を正しく把握しておくことが重要です。

まとめ

  • 入退院時の情報連携は加算算定の対象になるため、積極的な取り組みが収益にもつながる
  • 嘱託医・訪問診療医との定期的な情報共有が医療依存度の高い利用者のケア品質を左右する
  • 退院前カンファレンスへの参加で、施設での受け入れ準備とケアプランの精度が上がる
  • 緊急時の連絡ルールと24時間対応体制の整備が看取りを含めた最期の安心につながる
タイトルとURLをコピーしました