訪問介護はホームヘルパーが利用者の自宅を訪問して介護サービスを提供する制度です。在宅介護の中核を担う重要なサービスですが、サービス内容・料金・利用条件について「よくわからない」という声が多く聞かれます。本記事では訪問介護の基本を網羅的に解説します。
訪問介護で受けられるサービスの種類
| サービス種類 | 内容 | 主な例 |
|---|---|---|
| 身体介護 | 身体に直接触れる介護 | 入浴・食事・排泄・移乗・口腔ケア |
| 生活援助 | 家事援助(一人暮らし等が対象) | 掃除・洗濯・調理・買い物 |
| 通院等乗降介助 | 通院時の乗降サポート | タクシー乗降介助・院内介助 |
重要な点として、生活援助は「本人が一人ではできない家事」に限定されており、家族が同居している場合や本人が実施可能な場合は対象外となることがあります。また「窓の外の掃除」「草むしり」「ペットの世話」「話し相手」などは訪問介護の対象外です。
訪問介護の利用条件
訪問介護は介護保険サービスのため、原則として①65歳以上(第1号被保険者)で要支援1以上の認定を受けている方、または②40〜64歳(第2号被保険者)で特定疾病による要介護認定を受けている方が対象です。
要支援1・2の方は「介護予防訪問介護」ではなく、2015年度から各市区町村の「介護予防・日常生活支援総合事業(総合事業)」の中の訪問型サービスを利用することになります。総合事業のサービス内容・料金は市区町村によって異なります。
訪問介護の料金と自己負担
介護保険適用の場合、利用料の1〜3割が自己負担となります(所得に応じて異なる)。2026年現在の標準的な自己負担額は以下の通りです。
| サービス | 所要時間 | 単位数 | 1割負担の目安 |
|---|---|---|---|
| 身体介護中心 | 20分未満 | 166単位 | 約170円 |
| 身体介護中心 | 30分以上1時間未満 | 396単位 | 約406円 |
| 身体介護中心 | 1時間以上1時間半未満 | 580単位 | 約594円 |
| 生活援助中心 | 20分以上45分未満 | 183単位 | 約188円 |
| 生活援助中心 | 45分以上 | 225単位 | 約231円 |
上記は標準的な単価です。地域区分(東京都特別区・大都市など)によって1単位あたりの金額が異なります。また特定事業所加算や夜間・深夜加算などで追加費用が発生することがあります。
ヘルパーができないこと(対象外の行為)
- 医療行為(インスリン注射・点滴管理など)※一定の研修を受けたヘルパーは喀痰吸引等が可能
- 家族の分の料理・掃除
- 大掃除・模様替え・引越し作業
- 草むしり・庭の手入れ・雪かき(日常的でない場合)
- ペットの世話・植物への水やり
- 話し相手・外出の付き添い(単なる見守りのみ)
訪問介護の利用開始までの流れ
①市区町村の窓口または地域包括支援センターで要介護認定を申請→②認定調査・主治医の意見書→③認定結果の通知(30日以内)→④担当ケアマネジャーの決定→⑤ケアプランの作成→⑥訪問介護事業所の選定・契約→⑦サービス開始、という流れになります。
緊急の場合は認定前でも「暫定ケアプラン」でサービスを開始できますが、後日認定結果によっては自費負担になる場合があります。担当のケアマネジャーとよく相談することをお勧めします。
2026年の訪問介護の動向
2026年度の介護報酬改定では、訪問介護の特定事業所加算の要件が見直され、ICT活用・職員研修体制の整備が新たに評価されるようになりました。また人材不足対策として「訪問介護に従事する外国人介護人材」の活用が拡大しています。訪問介護事業所の経営が厳しい状況が続く中、ICTやロボットを活用した業務効率化への補助金も充実してきています。



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