介護事業者は厚労省の事故報告様式に基づき、一定の事故を市区町村に報告する義務があります。本記事では報告対象・期限・記入のポイントを実務目線で整理します。
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事故報告の根拠
- 介護保険法施行規則による事業者の責務
- 2021年に厚労省より統一様式の通知
- 各都道府県・市区町村で運用
- 運営指導の必須確認項目
報告対象となる事故
必ず報告が必要
- サービス提供中の死亡事故
- サービス提供中の生命に関わる重大な傷病
- 骨折等のため入院・通院が必要となった事故
- 食中毒・感染症の集団発生
- 職員の不適切ケア・虐待による事故
- 送迎中の交通事故(人身)
市町村により対応が異なる
- 軽微なけが(打撲・擦り傷等)
- 利用者間トラブル
- サービス提供中以外(往診中・退院中)の事故
- ※自治体独自のルールがあるため確認必須
報告期限
| 事故内容 | 期限 |
|---|---|
| 死亡・重大事故 | 速報:直ちに(電話等)/文書:5日以内 |
| 骨折・入院 | 原則10日以内 |
| 感染症集団発生 | 直ちに保健所・市町村へ |
| 続報・再発防止策 | 事故処理完了後30日以内 |
事故報告書の構成(厚労省統一様式)
- 事業所情報(事業者名・所在地・サービス種別)
- 事故発生日時・場所
- 事故概要(5W1H)
- 利用者情報(年齢・要介護度・既往歴)
- 事故発見者・対応者
- 傷病の内容・重症度
- 原因分析
- 再発防止策
- 家族・行政・医療機関への連絡状況
- 事業者の対応
記入例(転倒骨折ケース)
事故概要
「2026年6月3日 14:30頃、A様(86歳・要介護3)が通所介護施設の食堂入口で転倒し、右大腿骨頸部骨折。職員2名が見守りの中、立ち上がった際にバランスを崩した。直ちに救急搬送し、○○病院で手術後の入院となった。」
原因分析
- 本人の身体機能(起立性低血圧・降圧剤服用)
- 環境要因(床の傾斜なし・滑り止め有)
- 職員配置(食堂2名・他利用者対応中)
- 手順上の問題(起立時介助の徹底不足)
再発防止策
- 降圧剤服用者の起立時介助マニュアル整備
- 食堂入口の見守り体制強化(職員2→3名)
- 全職員への起立性低血圧の研修実施
- ヒヤリハットからの予防策の見直し
続報の出し方
- 初回報告から1か月以内に続報提出
- 治療経過・後遺症の有無
- 再発防止策の実施状況
- 同種事故の発生有無
家族対応のポイント
- 事故発見直後の連絡(時系列で詳細に)
- 対面での説明(電話だけでなく)
- 事業者責任の明確化(過失の有無に関わらず)
- 謝罪と再発防止策の提示
- 家族の感情に寄り添う姿勢
事業者責任と保険
- 過失が認められる場合は損害賠償責任
- 賠償責任保険の加入確認
- 顧問弁護士・保険会社との連携
- 不当な要求と正当な要求の区別
運営指導で確認される項目
- 事故報告書の保管(過去2年以上)
- 市町村への報告記録
- 事故防止委員会での要因分析
- 再発防止策の実施記録
- 同種事故の予防策の効果
- 家族への対応記録
関連テンプレート
ヒヤリハット・事故報告書テンプレート、事故要因分析(4M・SHELL)、安全衛生委員会議事録もご活用ください。
まとめ
事故報告は「迅速・正確・再発防止」の3原則。市町村への報告期限を遵守し、内部の事故防止委員会と連動した運用を確立しましょう。


