個別機能訓練計画書は、デイサービス(通所介護)で「個別機能訓練加算」を算定するために必須の書類です。「目標の書き方がわからない」「LIFEへの入力との連動方法がわからない」という現場の声は多く、書類作成の悩みの上位に常に入ります。このページでは、実際に使える記入例と、実地指導で評価される書き方のポイントを解説します。
個別機能訓練計画書の必須記載項目
個別機能訓練計画書に記載が必要な項目は、介護保険の算定要件で定められています。最低限入れるべき項目は次のとおりです。
- 利用者の氏名・生年月日・要介護度・主治医情報
- 心身機能の現状評価(ADL・IADL・認知機能・身体機能の数値評価を含む)
- 機能訓練の長期目標(達成期間の目安:おおむね6ヶ月)
- 機能訓練の短期目標(達成期間の目安:おおむね3ヶ月)
- 具体的なプログラム内容(訓練種別・頻度・時間・担当スタッフ)
- 利用者・家族への説明日と同意署名
- 計画書作成者・機能訓練指導員の氏名と資格
長期目標・短期目標の書き方と例文
目標設定で最も重要なのは「観察可能・評価可能」な内容にすることです。「健康を維持する」「ADLを改善する」のような抽象的な目標は、実地指導で「達成できたかどうか評価できない」と指摘されます。
| 状態・ニーズ | 長期目標の例文(6ヶ月) | 短期目標の例文(3ヶ月) |
|---|---|---|
| 歩行不安定・転倒リスクあり | 杖を使いながら自宅内を安全に歩行できる状態を6ヶ月間維持する | 屋内での平行棒歩行が10m連続で可能になる |
| 上肢筋力低下・食事介助が必要 | 自助具を使いながら自力で食事摂取できる状態になる | スプーンを握り、口元まで運ぶ動作が3回以上できるようになる |
| 認知機能低下・見当識障害あり | スタッフの声かけと環境設定により、デイサービス内でのADLを安全に行える | 日付・場所を問いかけられたとき、ヒントあり70%以上で正答できる |
| 廃用症候群・寝たきり傾向 | 離床時間を1日4時間以上確保し、褥瘡予防と活動性を維持する | 端座位保持20分・立位1分以上が可能になる |
利用者の「意向・希望」から目標を引き出すコツ
優れた個別機能訓練計画書の目標は「利用者の言葉」から引き出されています。「孫の運動会に歩いて参加したい」「一人でトイレに行けるようになりたい」というような具体的な希望を、アセスメントや普段の会話の中から拾い上げることが出発点です。「リハビリをします」ではなく「お孫さんの運動会まで歩行能力を維持するために」という説明がつくことで、利用者の訓練への意欲が格段に上がります。聞き取りが難しい場合は「今、一番困っていることは何ですか?」という問いかけが最初のとっかかりになります。
LIFE入力との連動と入力漏れを防ぐ運用方法
個別機能訓練加算ⅡはLIFE(科学的介護情報システム)へのデータ提出が必須です。計画書の内容(目標・プログラム・評価)をLIFEに入力する際に気をつけるべきポイントは2点あります。①計画書の目標設定日とLIFEへの入力日が一致していること、②計画書の評価(定期的な見直し)のタイミングでLIFEのデータも更新すること——この2点が、加算返還リスクを防ぐ基本運用です。月次で計画書更新担当者とLIFE入力確認者を決め、チェックリストで管理する仕組みが現場では有効です。
実地指導で評価される計画書の条件
実地指導で高評価を受ける個別機能訓練計画書の条件は3つです。①利用者・家族の同意署名と説明日が記録されている、②3ヶ月ごとの目標達成評価が記録されている(達成・未達成の理由を含む)、③評価結果が次の計画書の目標に反映されている——このPDCAサイクルが書類上で確認できる状態が、加算算定の実態評価につながります。「目標を設定して終わり」ではなく、「評価して次の計画に活かす」というサイクルの記録が求められています。


