2026年現在、介護施設における感染症・食中毒の予防及びまん延防止のための指針策定は義務化されています。「マニュアルはあるけど形骸化している」「実地指導でどこを確認されるか不安」——そんな担当者のために、実用的なマニュアルの作り方を解説します。
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2026年の感染症対策で義務化されているポイント
介護保険法の運営基準により、全介護サービス事業所に以下が義務付けられています。
- 感染症・食中毒の予防及びまん延防止のための指針の整備
- 感染症・食中毒の予防及びまん延防止のための定期的な研修・訓練(年2回以上)
- 業務継続計画(BCP)との連動(感染症発生時の対応を含める)
実地指導では「指針があるか」だけでなく「職員が内容を理解しているか」「実際に機能しているか」まで確認されます。
感染症対策マニュアルに必要な7項目
- 感染症予防のための基本的な考え方——標準予防策(スタンダードプリコーション)の徹底
- 主な感染症の特徴と感染経路——ノロウイルス・インフルエンザ・COVID-19・疥癬など
- 日常的な予防対策——手洗い・うがい・換気・消毒の具体的な手順
- 発生時の初動対応フロー——発見からPCR検査・保健所報告・隔離まで
- 感染拡大防止のための対応——ゾーニング・PPEの使い方・コホーティング
- 関係機関への報告基準と連絡先一覧——保健所・医療機関・法人本部
- 職員の健康管理と就業制限の基準——発熱・下痢等の際の出勤基準
職員教育・訓練の組み方
義務化された年2回の研修・訓練は、形式だけにならないよう工夫が必要です。
第1回(4〜6月推奨):食中毒・感染症予防の基礎研修
ノロウイルスが流行する前の時期に、手洗い手順の確認・嘔吐物処理の実技・個人防護具(PPE)の着脱練習を行います。新入職員が揃う4月以降に実施するとタイミングが良いです。
第2回(10〜11月推奨):インフルエンザ・COVID対策訓練
冬の感染症シーズン前に、発生時の対応フローを実際にシミュレーションします。「利用者が発熱した場合、誰が何をするか」を役割分担して練習することで、実際の対応時に迅速に動けます。
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実地指導で「不合格」になる感染症マニュアルの共通パターン
介護施設の感染症対策マニュアルで実地指導がよく指摘するのは、①内容が古いまま(コロナ前の様式をそのまま使用)、②発生時の報告フローが不明確、③職員研修の実施記録がない——の3点です。特に2024年度改正以降、感染症発生時の行政報告義務(保健所への第1報タイミング等)が明記されていないマニュアルは、「形式的な整備」と判断されます。このガイドを参考に、あなたの施設の実情に合わせた「使えるマニュアル」を作成してください。
マニュアルを「形だけ」にしない年間運用サイクルの作り方
感染症対策マニュアルは作成して終わりではなく、年1回以上の見直しと職員への周知が必要です。有効な運用サイクルは①流行前(秋)の改訂→②全職員研修(11月)→③インフル・ノロ流行期の実地訓練(12月〜2月)→④発生事例の振り返りと翌年の改訂(4月)——この4ステップです。特に夜間・休日の少人数体制での感染者発生を想定した手順を必ず盛り込み、パート・アルバイトを含む全スタッフが対応できる内容にすることが、実際の緊急時に機能するマニュアルの条件です。
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