介護施設の誕生日会で担当が休んだら 当日の代役に渡す5つの情報

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誕生日会の準備は済んでいるのに、当日の担当者が急に休むことになった。そんなとき、代役の職員がまず知りたいのは「何を、どこまで、誰と進めるか」です。

企画書を最初から読み直す前に、本人の希望、今日の進行、物品の場所、職員の役割、変更時の相談先を確認しましょう。この記事では、担当交代の場面で使える情報のまとめ方を紹介します。施設の通常の申し送りや安全確認を置き換えるものではありません。

1 本人が希望しているお祝いの形

最初に引き継ぐのは、主役となる本人がどう過ごしたいかです。「誕生日の人は全員前に出る」と決めつけず、みんなの前で祝ってほしいのか、席で声をかけてほしいのか、参加そのものを希望しているのかを確かめます。

厚生労働省の意思決定支援ガイドラインは、認知症の人が自らの意思に基づいて日常生活・社会生活を送ることを支える考え方を示しています。行事でも、職員側の段取りだけで本人の過ごし方を決めない姿勢が大切です。[1]

「前回は歌を喜んだ」という過去の記録と、「今日は静かに過ごしたい」という当日の希望は分けて扱います。引き継ぎには、確認した日と本人の言葉を短く残してください。

記入例:

  • 本人の希望:席でカードを受け取りたい
  • 確認日:開催前日
  • 当日の確認担当:フロア担当者

返答を急がせず、本人が伝えやすい方法で確かめます。写真撮影や外部掲載についても、施設で確認している本人の意向と手続を引き継ぎ、確認できない使い方はその場で進めないようにします。

2 今日の進行と省略できる内容

進行表には、開始時刻と終了時刻に加え、担当が替わっても行える短い流れを載せます。余興をすべて再現することにこだわるより、本人が希望するお祝いを無理なく実施できる形に整えましょう。

以下は説明用の20分構成です。施設の勤務体制や本人の希望に応じて変えてください。

  • 開始から3分:あいさつと会の説明
  • 次の7分:本人が希望したお祝い、カードのお渡し
  • 次の5分:希望する人との短い会話や余興
  • 最後の5分:結びのあいさつ、片付けと通常業務への移行

あわせて「時間が足りなければ省略できる余興」「担当者だけが知っている操作が必要な機材」を明記します。休憩や途中退出が必要になったときの対応も、代役一人で抱えない形にしておきます。

3 物品の置き場所と準備の残り

「カード準備済み」だけでは、探す時間がかかります。物の名前、置き場所、残っている作業を一緒に書くと、当日の職員が動きやすくなります。

記入例:

  • カード:事務室の行事用ケース。記名は済み、渡す順番の確認が残っている
  • 飾り:レク用品棚の上段。壁への設置は済み、終了後は同じ袋に戻す
  • 音源:施設の行事用端末。再生確認は前日に実施、音量は開始前に会場で確認

施設で使用できる端末や保管場所に合わせて具体化してください。贈り物の購入、追加の支出、食べ物や飲み物の変更など、別の確認が必要なことは「代役がその場で決める作業」に混ぜません。

飲食を伴う場合は、施設の通常の確認手順と担当職員の判断に従います。行事の進行メモだけで、個別の食事内容や介助方法を変更しないようにしてください。

4 進行以外を引き受ける職員

司会の代役を決めても、配布や片付けまで一人に集中すると、予定どおり進めにくくなります。「誰かがやる」になりやすい作業ほど、当日の役割を確認します。

  • 進行を読む人
  • 物品を配る人
  • 本人や参加者への対応を担う人
  • 終了後の片付けと記録を行う人

これは必要な人数や人員配置の基準を示すものではありません。通常業務に必要な体制を優先し、実際の人数で対応できない内容は責任者と相談して縮小します。兼任する場合も、同時にできない作業が重なっていないか確認しましょう。

5 変更するときの相談先と終了後の記録

欠席者が出た、予定の物品がない、開始が遅れた。こうしたときに誰へ相談するかが分かれば、代役が一人で判断を抱え込まずに済みます。

メモには「当日の責任者」「連絡方法」「実施内容の変更を相談する人」を記載します。体調の変化などがある場合は、行事用メモより施設の通常の対応手順を優先してください。

終了後は、実施した内容、本人の言葉や様子、予定から変えたこと、次回へ残すことを記録します。「楽しそうだった」だけで終えず、「カードを受け取って『ありがとう』と話された」など、実際に見聞きしたことを残すと、次の担当者が参考にできます。本人の気持ちを職員の推測で断定しないようにしましょう。

引き継ぎ文は短くても具体的に

次は、個人情報を含まない架空の記入例です。

「開始14時、終了予定14時20分。本人は席でカードを受け取ることを希望。カードは事務室の行事用ケース。司会は当日担当、配布は補助担当。余興は短縮可能。実施内容を変える場合は当日の責任者へ相談。終了後は本人の言葉と変更点を所定の記録に残す」

施設で使うときは、曖昧な担当名を実際の役割や氏名に置き換え、必要な職員が確認できる場所で管理してください。個別の注意事項は、既存の記録と食い違う内容を転記するより、どの記録を誰と確認するかを示す方法もあります。

次回に向けて前日までに一度確認する

引き継ぎメモは、担当が休んでから初めて作るより、準備の一部として作っておくと活用しやすくなります。

前日までに別の職員が読み、「物品を探せるか」「残りの作業が分かるか」「困ったときの相談先が分かるか」を確認します。実施後に分かりにくかった箇所を直しておけば、翌月の準備にも使えます。

準備の内容と当日の変更を同じ場所に残すことが、担当が替わっても引き継げる誕生日会づくりの第一歩です。

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参考

[1] 厚生労働省「認知症の人の日常生活・社会生活における意思決定支援ガイドライン 第2版」令和7年3月。本人の意思を尊重する考え方の参考資料です。本記事の進行例や5項目のまとめ方は、同省が定めた様式・手順ではありません。

https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001484891.pdf

資料確認日:2026年10月19日

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