介護施設の人員配置基準は、運営基準の最重要項目です。基準未充足は減算対象になり、運営指導で必ず確認されます。本記事では主要サービス別の配置基準を2026年版で整理し、常勤換算の計算方法と運用ポイントを解説します。
人員配置基準とは
厚生労働省が定める「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準」等で、サービス種別ごとに最低配置人員が決められています。基準未充足は人員基準欠如減算(70%等)の対象となります。
サービス別 人員配置基準(2026年版)
特別養護老人ホーム(特養)
- 介護職員+看護職員:利用者3人に対し1人(常勤換算)
- 看護職員:利用者数により別途規定(30名以下は1名、31〜50名は2名、51〜130名は3名…)
- 医師:必要数(嘱託医可)
- 機能訓練指導員:1名以上(理学療法士・作業療法士等)
- 生活相談員:常勤換算で利用者100名に1名(最低1名)
- 介護支援専門員:100名に1名
- 夜間体制:25名以下は1名、26〜60名は2名、61〜80名は3名…
介護老人保健施設(老健)
- 医師:常勤1名以上
- 看護職員+介護職員:利用者3人に対し1人(うち看護2/7、介護5/7)
- 支援相談員:1名以上
- PT・OT・ST:100名に1名以上
- 介護支援専門員:100名に1名
特定施設入居者生活介護(有料老人ホーム等)
- 看護職員+介護職員:要介護者3人に対し1人
- 看護職員:利用者30名以下は1名、31〜80名は2名…
- 生活相談員:利用者100名に1名
- 機能訓練指導員:1名以上
- 介護支援専門員:1名以上
認知症対応型共同生活介護(グループホーム)
- 介護従業者:日中は利用者3人に対し1人、夜間は1ユニット1名
- 計画作成担当者:1名以上(ケアマネ等)
- 管理者:常勤1名(認知症介護実践者研修修了者)
通所介護(デイサービス)
- 生活相談員:提供時間帯を通じて1名以上
- 看護職員:1名以上
- 介護職員:利用者15名までは1名、16名以上は5名増ごとに1名追加
- 機能訓練指導員:1名以上
- 管理者:常勤1名
訪問介護
- サービス提供責任者:利用者40名に対し1名(常勤換算)
- 訪問介護員:常勤換算2.5名以上
- 管理者:常勤1名
居宅介護支援
- 介護支援専門員:利用者35名に対し1名(常勤換算)
- 管理者:主任介護支援専門員(常勤1名)
常勤換算の計算方法
基本式
常勤換算数 = (その月の従業者の勤務延時間数)÷(事業所において定める常勤の従業者が勤務すべき時間数)
計算例
事業所の常勤所定労働時間が週40時間(月160時間)の場合:
- 常勤A:160時間 → 常勤換算1.0人
- 非常勤B:80時間 → 常勤換算0.5人
- 非常勤C:120時間 → 常勤換算0.75人
- 合計:1.0+0.5+0.75 = 2.25人
注意点
- 勤務形態一覧表の作成・保管が必須(運営指導で確認)
- 常勤換算は月別に計算する
- 有給休暇取得時間も勤務時間に含める
- 研修・会議時間は規定により含める/含めない
人員基準欠如減算
人員基準を満たさない月が出た場合、翌月から所定単位数の70%(看護・介護職員70%、その他職種により異なる)に減算されます。
減算回避のための運用
- 月初に当月のシフト総時間を集計
- 常勤換算が基準を下回りそうな場合は派遣・パート増員
- 退職時は人員補充までの間、シフト調整で基準を維持
- 勤務形態一覧表を毎月作成し、本部・管理者で確認
運営指導で確認されるポイント
- 勤務形態一覧表が毎月作成されているか
- 常勤換算が基準を満たしているか(過去3か月分)
- シフト表と勤務実績の整合性
- 有資格者の配置基準(看護師・介護福祉士比率等)
- 夜勤体制が基準を満たしているか
- 休憩時間が労基法に適合しているか
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まとめ
人員配置基準は「サービス別の基準を理解」「常勤換算を正確に計算」「勤務形態一覧表を月次作成」の3点が基本です。基準未充足は減算リスクが大きいため、月初に当月予測を立て、不足が見込まれる場合は早めに増員調整しましょう。


