「施設で最期まで過ごしたい」という希望を持つ高齢者が増える中、介護施設での看取りケアの重要性が高まっています。本人・家族の意思を尊重しながら、穏やかな最期を支える取り組みが求められます。
看取りケアの基本的な流れ
- 意思確認(アドバンス・ケア・プランニング):本人・家族の意向を事前に把握・記録する
- 多職種連携:医師・看護師・ケアマネ・介護士・相談員でケア方針を共有
- 症状緩和:苦痛の軽減(疼痛・呼吸困難・口腔乾燥など)に集中
- 家族支援:面会の調整・状態説明・グリーフケア
- 記録の充実:状態変化・本人の言葉・家族への説明内容を詳細に記録
看取り期の身体サイン
- 食事・水分摂取量が著しく低下する
- 傾眠時間が増える(1日の大半を眠って過ごす)
- 四肢が冷たくなる・チアノーゼ(紫色)が現れる
- 下顎呼吸(あごを動かす不規則な呼吸)が始まる
スタッフのグリーフケア
看取りはスタッフにとっても精神的な負担です。チームでの振り返りの場を設け、感情を吐き出せる環境を作ることが大切です。
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まとめ
介護の現場では、常に最新の情報をキャッチアップすることが重要です。制度改正や新しいサービス・ツールの導入により、利用者様へのケアの質をさらに向上させることができます。本記事の情報がお役に立てれば幸いです。具体的な内容については、各自治体の窓口や専門家へのご相談をお勧めします。
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介護現場での実践に向けて
介護の知識を実践に活かすためには、日々の業務の中で意識的に取り組む姿勢が大切です。また、チーム内での情報共有や事例検討を定期的に行うことで、知識をより深め、ケアの質を高めることができます。本記事が介護現場での課題解決や利用者様への質の高いサービス提供のお役に立てれば幸いです。疑問点は専門家や各自治体の窓口にご相談ください。
看取り期のケアで大切なこと
看取り期には身体的ケアだけでなく、精神的・社会的・スピリチュアルなケアが求められます。「その人らしい最期」を支えるために、以下の視点を大切にしましょう。
- 苦痛の緩和:疼痛管理、口腔ケア、体位変換による褥瘡予防
- 本人の意思の尊重:事前に「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセス」を確認(ACP)
- 家族へのサポート:面会しやすい環境の整備、グリーフケア(悲嘆支援)
- チームケア:介護職・看護師・医師・相談員が連携した多職種協働
- 環境づくり:好きな音楽・花・家族の写真で「その人らしい空間」を作る
看取りケア加算と2024年改定のポイント
介護施設が看取りケアを実施した場合、「看取り介護加算」が算定できます。2024年の介護報酬改定では、ターミナルケアマネジメント加算の新設など、看取りに取り組む施設への評価が強化されました。
- 看取り介護加算(Ⅰ):死亡日以前31〜45日間に算定可能
- 看取り介護加算(Ⅱ):ターミナルケア専任の研修を受けた職員が配置されている場合に上乗せ
- 算定要件:看取り介護計画書の作成・説明・同意が必要
看取りケアに関するよくある質問(FAQ)
Q. 家族が「病院に連れて行って」と希望したらどうすればよいですか?
A. 本人・家族の意思を最優先します。施設での看取りを希望していたとしても、状況の変化で方針が変わることは珍しくありません。医師・相談員・家族を交えて丁寧に話し合い、その決定を記録に残してください。
Q. 看取り後の職員のメンタルケアはどうすればよいですか?
A. 看取りを経験した職員が悲嘆を感じることは自然なことです。デスカンファレンス(死亡事例検討会)を行い、チームで振り返り・ねぎらいの場を設けましょう。管理者が「よくやった」と声をかけることも大切です。
Q. 施設で看取りができない場合はどうすればよいですか?
A. 体制が整っていない施設でも、地域の在宅医・訪問看護ステーションと連携することで対応できる場合があります。地域の医療機関・ホスピスとの連携体制を平時から構築しておくことが重要です。



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