歩行能力の維持は高齢者のADL・QOLの基盤です。本記事では歩行補助具の使い分け、訓練手順、転倒予防策をPT/OTとの連携も含めて整理します。
歩行補助具の主要タイプ
1本杖(T字杖・ロフストランド杖)
- 軽度の歩行不安定者
- 軽量・携帯性高
- 片麻痺の方の支持側
多脚杖(4点杖)
- 1本杖より支持性高
- 立位保持の補助
- 屋内向き
歩行器(フレーム型)
- 両手で支える
- 立ち上がりの補助
- 屋内のみ
4輪歩行車
- 屋外移動に適す
- ブレーキ・座面付き
- 休憩可能
- 転倒リスクのある方
3輪歩行車
- 小回りが効く
- 屋内外両用
- 狭い場所で活躍
シルバーカー
- 外出時の荷物運搬
- 軽度の支持
- 福祉用具対象外
選び方の判断軸
身体機能
- 立位保持能力
- 歩行速度(1.0m/秒未満なら歩行器以上)
- バランス機能
- 上肢の筋力・握力
使用環境
- 屋内のみ:歩行器
- 屋外あり:4輪歩行車
- 狭い場所:3輪歩行車
- 長距離:シルバーカー
本人意向
- 「年寄りくさい」と感じない
- 携帯性
- デザイン・色
歩行訓練の手順
STEP 1:評価
- TUG(Timed Up & Go)
- 10m歩行速度
- 片脚立位時間
- 5回立ち座り
- 転倒歴・転倒恐怖
STEP 2:目標設定
- 長期目標(6か月):屋内独歩できる等
- 短期目標(3か月):歩行器で20m歩ける等
- 本人意向に沿う
STEP 3:訓練内容
- 立ち上がり訓練(椅子→立位)
- 立位保持訓練
- 体重移動訓練
- 歩行訓練(補助具使用)
- 段差越え・方向転換
STEP 4:継続評価
- 3か月ごとに客観指標で再評価
- 目標達成度の判定
- 補助具変更の検討
転倒予防のポイント
環境
- 段差解消
- 滑り止めマット
- 手すり設置
- 夜間照明
- 整理整頓
身体
- 下肢筋力訓練
- バランス訓練
- 視力・聴力の改善
- 履物の見直し
薬剤
- 降圧剤・睡眠薬の見直し
- 多剤併用の整理
- 主治医との連携
場面別の使い分け
自宅内
- 居室〜トイレ:手すり+杖
- 居室〜浴室:歩行器
- 玄関:杖+手すり
外出時
- 近所:4輪歩行車
- 買物:シルバーカー
- 通院:付き添い+歩行車
施設内
- 居室〜食堂:歩行器
- レク参加:杖
- 外出企画:4輪歩行車
PT/OTとの連携
連携の流れ
- 機能訓練指導員による評価
- 個別機能訓練計画書の作成
- 訓練の実施
- 福祉用具選定への助言
- 家族・介護職員への指導
- 3か月ごとの再評価
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まとめ
歩行補助具選定は「身体機能・使用環境・本人意向」の3軸で判断。継続的な訓練と環境整備の両輪で、ADL維持と転倒予防を実現しましょう。


