サルコペニアは加齢に伴う筋肉量・筋力の減少で、寝たきり・転倒・誤嚥のリスクを大きく高めます。介護施設では低栄養対策と運動を組み合わせた予防が重要。本記事では実務的な対応をまとめます。
サルコペニアとは
- 加齢に伴う筋肉量・筋力の減少
- 歩行速度低下・握力低下・立ち上がり困難
- 転倒リスクが2〜3倍に
- 嚥下機能低下→誤嚥リスク
- 褥瘡リスクの増加
サルコペニアの診断基準(AWGS 2019)
- 握力:男性28kg未満・女性18kg未満
- 歩行速度:1.0m/秒未満
- 5回立ち座り:12秒以上
- SARC-F問診票:4点以上
サルコペニアの3大原因
1. 加齢による生理的変化
- 筋肉合成能力の低下
- ホルモン分泌の変化
- 炎症性サイトカインの増加
2. 低栄養
- 食事摂取量の減少
- タンパク質摂取不足
- 食欲低下・嚥下機能低下
- 口腔フレイルとの併存
3. 身体活動低下
- 運動機会の減少
- 外出機会の減少
- 入院・入所による活動制限
栄養面の対策
タンパク質摂取の重点化
- 体重1kgあたり1.0〜1.2g(健常時より多め)
- 毎食20g以上(1日合計60g以上)
- 動物性タンパク質(肉・魚・卵・乳製品)の活用
- 植物性タンパク質(豆腐・納豆)の併用
ビタミンD・カルシウム
- ビタミンD:日光浴・きのこ類・魚類
- カルシウム:乳製品・小魚・葉物野菜
- 骨粗鬆症予防にも有効
食事のコツ
- 少量・高栄養の食事
- 間食の活用(栄養補助食品)
- 好みを取り入れて摂取量UP
- 食事姿勢・口腔ケアの徹底
運動面の対策
レジスタンス運動(筋トレ)
- 椅子立ち座り(週3回・10回×3セット)
- かかと上げ(カーフレイズ)
- 膝伸ばし(座位で実施)
- ゴムバンド・軽いダンベル使用
有酸素運動
- 歩行(1日30分目安)
- 椅子に座っての足踏み
- ストレッチとの併用
個別機能訓練との連動
- サルコペニアハイリスク者を抽出
- 個別計画書に筋力訓練を明記
- 3か月ごとに客観評価指標で進捗測定
- LIFE提出データと連動
低栄養スクリーニング
- 体重・BMIの定期測定(月1回)
- 食事摂取量の評価
- MNA-SF・GLIM基準による評価
- 血液検査(アルブミン・総コレステロール)
多職種協働
| 職種 | 役割 |
|---|---|
| 医師 | 診断・治療方針 |
| 管理栄養士 | 栄養評価・食事計画 |
| PT/OT | 運動プログラム策定 |
| 歯科衛生士 | 口腔ケア・嚥下評価 |
| 看護師 | 健康管理・観察 |
| 介護職員 | 食事介助・運動誘導 |
| 言語聴覚士 | 嚥下機能評価・訓練 |
栄養マネジメント強化加算の活用
- 低栄養リスク者への重点的介入
- 多職種カンファレンス
- 個別栄養ケア計画
- LIFE提出
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フレイル予防、口腔フレイル予防、個別機能訓練計画書もご参照ください。
まとめ
サルコペニア対策は「栄養・運動・多職種協働」の3本柱。低栄養スクリーニング→個別計画→継続評価のPDCAサイクルで、寝たきりへの進行を防ぎましょう。


