高齢者のサルコペニア対策【2026年版】筋肉減少を防ぐ栄養・運動・介護現場での実践

介護技術・ケア方法

サルコペニアは加齢に伴う筋肉量・筋力の減少で、寝たきり・転倒・誤嚥のリスクを大きく高めます。介護施設では低栄養対策と運動を組み合わせた予防が重要。本記事では実務的な対応をまとめます。

サルコペニアとは

  • 加齢に伴う筋肉量・筋力の減少
  • 歩行速度低下・握力低下・立ち上がり困難
  • 転倒リスクが2〜3倍に
  • 嚥下機能低下→誤嚥リスク
  • 褥瘡リスクの増加

サルコペニアの診断基準(AWGS 2019)

  • 握力:男性28kg未満・女性18kg未満
  • 歩行速度:1.0m/秒未満
  • 5回立ち座り:12秒以上
  • SARC-F問診票:4点以上

サルコペニアの3大原因

1. 加齢による生理的変化

  • 筋肉合成能力の低下
  • ホルモン分泌の変化
  • 炎症性サイトカインの増加

2. 低栄養

  • 食事摂取量の減少
  • タンパク質摂取不足
  • 食欲低下・嚥下機能低下
  • 口腔フレイルとの併存

3. 身体活動低下

  • 運動機会の減少
  • 外出機会の減少
  • 入院・入所による活動制限

栄養面の対策

タンパク質摂取の重点化

  • 体重1kgあたり1.0〜1.2g(健常時より多め)
  • 毎食20g以上(1日合計60g以上)
  • 動物性タンパク質(肉・魚・卵・乳製品)の活用
  • 植物性タンパク質(豆腐・納豆)の併用

ビタミンD・カルシウム

  • ビタミンD:日光浴・きのこ類・魚類
  • カルシウム:乳製品・小魚・葉物野菜
  • 骨粗鬆症予防にも有効

食事のコツ

  • 少量・高栄養の食事
  • 間食の活用(栄養補助食品)
  • 好みを取り入れて摂取量UP
  • 食事姿勢・口腔ケアの徹底

運動面の対策

レジスタンス運動(筋トレ)

  • 椅子立ち座り(週3回・10回×3セット)
  • かかと上げ(カーフレイズ)
  • 膝伸ばし(座位で実施)
  • ゴムバンド・軽いダンベル使用

有酸素運動

  • 歩行(1日30分目安)
  • 椅子に座っての足踏み
  • ストレッチとの併用

個別機能訓練との連動

  • サルコペニアハイリスク者を抽出
  • 個別計画書に筋力訓練を明記
  • 3か月ごとに客観評価指標で進捗測定
  • LIFE提出データと連動

低栄養スクリーニング

  • 体重・BMIの定期測定(月1回)
  • 食事摂取量の評価
  • MNA-SF・GLIM基準による評価
  • 血液検査(アルブミン・総コレステロール)

多職種協働

職種 役割
医師 診断・治療方針
管理栄養士 栄養評価・食事計画
PT/OT 運動プログラム策定
歯科衛生士 口腔ケア・嚥下評価
看護師 健康管理・観察
介護職員 食事介助・運動誘導
言語聴覚士 嚥下機能評価・訓練

栄養マネジメント強化加算の活用

  • 低栄養リスク者への重点的介入
  • 多職種カンファレンス
  • 個別栄養ケア計画
  • LIFE提出

関連記事

フレイル予防口腔フレイル予防個別機能訓練計画書もご参照ください。

まとめ

サルコペニア対策は「栄養・運動・多職種協働」の3本柱。低栄養スクリーニング→個別計画→継続評価のPDCAサイクルで、寝たきりへの進行を防ぎましょう。

タイトルとURLをコピーしました