フレイルとは加齢に伴う心身の機能低下で、健常から要介護への中間段階を指します。早期発見・適切な介入で回復可能な点が特徴。介護現場では身体・心理・社会の3軸からの予防介入が重要です。
フレイルの定義(J-CHS基準)
以下のうち3項目以上該当でフレイル、1〜2項目でプレフレイル:
- 体重減少(6か月で2kg以上)
- 主観的な疲労感
- 歩行速度低下
- 握力低下
- 身体活動量低下
フレイルの3つの側面
1. 身体的フレイル
- 筋肉量・筋力の低下(サルコペニア)
- 歩行・バランス機能低下
- 低栄養
- 転倒・骨折リスク
2. 心理的フレイル
- 抑うつ症状
- 認知機能低下
- 意欲低下
- 不安・孤独感
3. 社会的フレイル
- 独居・社会的孤立
- 外出機会の減少
- 地域とのつながり喪失
- 役割の喪失
身体面の介入
運動プログラム
- レジスタンス運動(筋力)週2〜3回
- 有酸素運動(歩行)毎日30分
- ストレッチ・柔軟性
- バランス訓練
栄養強化
- タンパク質1.0〜1.2g/kg体重
- ビタミンD・カルシウム
- 少量・頻回摂取
- 低栄養スクリーニング
口腔ケア
- 口腔フレイル対策
- 歯科連携
- 嚥下機能評価
心理面の介入
うつ症状への対応
- GDS-15(高齢者うつスケール)でスクリーニング
- 傾聴と本人意向の尊重
- 必要に応じて専門医連携
- 抗うつ薬の慎重な使用
認知機能維持
- 脳トレ・回想法
- 新しいことへのチャレンジ
- 趣味活動の継続
- 認知症予防の生活習慣
意欲を引き出す関わり
- 本人の楽しみを大切に
- 「できないこと」より「できること」に着目
- 達成感を味わえる目標設定
- 家族・地域とのつながり強化
社会面の介入
外出機会の確保
- 通所介護・通所リハの活用
- 近所への散歩
- 地域行事への参加
- 送迎付きの社会参加
地域とのつながり
- 地域包括支援センターとの連携
- 民生委員・地域ボランティアの活用
- サロン・体操教室の紹介
- 老人クラブ・町内会
役割の創出
- 家族内での役割
- 趣味・特技を活かす機会
- シルバー人材センターの活用
- ボランティア活動
多職種チームの役割
| 職種 | 役割 |
|---|---|
| ケアマネ | 包括的アセスメント・計画立案 |
| 看護師 | 健康管理・服薬管理 |
| PT/OT/ST | 運動・口腔機能訓練 |
| 管理栄養士 | 栄養評価・指導 |
| 歯科衛生士 | 口腔ケア |
| 生活相談員 | 家族・地域連携 |
| 介護職員 | 日々の観察・支援 |
地域包括ケアシステムとの連動
- 介護予防・日常生活支援総合事業の活用
- 通いの場の創出
- 住民主体の活動への参加
- 地域ケア会議での個別検討
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まとめ
フレイル予防は「身体・心理・社会の3軸介入」がポイント。早期発見・多職種協働・地域連携で、要介護への進行を防ぎ「健常への回復」を目指せます。


