入浴介助は介護現場で最も事故リスクが高いケアです。ヒートショック・転倒・溺水・誤嚥・感染の5つのリスクを管理する技術を身につけましょう。
入浴介助で多い事故と予防
入浴は、転倒・溺水・血圧変動(ヒートショック)など事故が起きやすい場面です。脱衣所と浴室の温度差を小さくする、床の滑りを防ぐ、湯温を確認する、急に立ち上がらせないなど、一つひとつの配慮が事故予防につながります。空腹時・食後すぐ・飲酒後の入浴は避けます。
観察のポイント
入浴前・入浴中・入浴後を通して、顔色・表情・呼吸・ふらつき・皮膚の状態を観察します。いつもと違う様子があれば無理に続けず、看護師に相談します。入浴は全身の皮膚を観察できる貴重な機会でもあります。
本人の力を活かす
できる動作は本人にしてもらい、できない部分を介助します。プライバシーと尊厳に配慮し、寒さや疲れに気を配ることで、気持ちのよい入浴になります。入浴ケア全体の流れは入浴ケア完全ガイドも参考にしてください。
技術1: 事前バイタル測定
- 入浴30分前に体温・血圧・脈拍測定
- 基準値外なら入浴中止 or 清拭対応
- 食後1時間以内・空腹時の入浴は避ける
- 水分摂取を入浴前に促す(200ml目安)
技術2: 温度差ゼロの環境づくり(ヒートショック対策)
- 脱衣場 24℃以上に保温(冬期は要対策)
- 浴室 26℃以上(シャワーで床と空気を温める)
- お湯温度 39〜40℃(高温は禁止)
- 洗髪・洗体時の上半身保温(タオルで覆う)
技術3: 転倒予防の動線設計
- 濡れた床のすぐ拭き取り
- 手すり・滑り止めマット完備
- シャワーチェアは安定型を選択
- 移乗時は必ず2人介助(体重・状態次第)
- 機械浴の入退場時の足元確認
技術4: 入浴中の観察ポイント
- 顔色(赤すぎ・青白いは要注意)
- 呼吸(息切れ・無呼吸)
- 意識レベル(眠そう・反応鈍化)
- 皮膚状態(赤み・傷・水疱)
- 会話の様子(応答鈍化はのぼせサイン)
技術5: 入浴後30分のフォロー
- 水分補給(お茶・水 100ml以上)
- 体温・血圧の再測定
- 休息30分の保証
- 褥瘡好発部位の皮膚確認
- 異常があれば看護師へ即報告


