車椅子は単なる移動手段ではなく、利用者のADL・QOLを左右する重要な福祉用具です。本記事では利用者特性別の機種選定・フィッティング・福祉用具専門相談員との連携を整理します。
車椅子の主要タイプ
標準型自走式
- 本人が自力でこげる
- 上肢機能保持者向け
- 軽量・小回り
標準型介助式
- 介助者が押す前提
- 後輪が小さい
- 本人の自走機能が低下した場合
モジュール型
- 各部品を利用者に合わせて調整可
- 座面幅・奥行き・背もたれ・肘掛けが選べる
- 個別フィッティング向き
電動車椅子
- 上肢機能低下・体力低下の方
- 屋外移動の自立性確保
- 講習・免許不要(一般道は通行可)
リクライニング型
- 背もたれが倒せる
- 座位保持困難な方
- 姿勢変換が必要な方
ティルト型
- 座面ごと傾けられる
- 体の関節角度を変えずに姿勢変換
- 褥瘡予防に有効
選定時の評価項目
身体機能
- 座位保持能力
- 上肢機能(自走可否)
- 下肢機能(足こぎ・足底接地)
- 体格(身長・体重・体型)
- 麻痺の有無・部位
ADL・利用状況
- 使用時間(短時間・終日)
- 使用場所(屋内・屋外)
- 移乗方法
- 本人意向
住環境
- 玄関段差
- 廊下幅
- トイレ・浴室への移動
- 収納スペース
- 車への積み込み
フィッティングの基本寸法
| 部位 | 適合の目安 |
|---|---|
| 座面幅 | 臀部より両側3〜4cmゆとり |
| 座面奥行き | 膝裏より3〜5cm短い |
| 背もたれ高さ | 肩甲骨下端まで |
| 肘掛け高さ | 肘を90度に曲げた高さ |
| フットサポート高さ | 足底全体が接地 |
福祉用具専門相談員との連携
連携の流れ
- ケアマネが必要性をアセスメント
- 福祉用具専門相談員が訪問評価
- 機種選定・試用
- サービス担当者会議での検討
- 正式導入・フィッティング
- 定期モニタリング
定期メンテナンス
- タイヤの空気圧
- ブレーキの効き
- 各部のネジ緩み
- クッションの劣化
レンタルと購入の判断
介護保険レンタル
- 要介護2以上が原則対象
- 月額数百〜千円台
- 状態変化時の機種変更が容易
- メンテナンス込み
購入の場合
- 長期使用が確実な場合
- 特注品が必要な場合
- 身体障害者手帳での補装具給付
褥瘡予防との関連
- クッション選定(ウレタン・ジェル・エア)
- ティルト機能の活用
- 15分ごとの体位変換
- 圧分散の評価
関連記事
歩行訓練と歩行器活用、福祉用具安全使用チェックリストもご参照ください。
まとめ
車椅子選定は「身体機能・ADL・住環境」の3軸評価と福祉用具専門相談員との連携がポイント。状態変化に応じた機種変更も柔軟に検討してください。


