「共生社会の実現を推進するための認知症基本法」は令和5年6月に成立し、令和6年(2024年)1月1日から施行されています。本記事では認知症基本法の概要と、自治体・介護事業所に求められる対応をまとめます。
認知症基本法とは
- 正式名称:共生社会の実現を推進するための認知症基本法
- 公布:令和5年6月
- 施行:令和6年(2024年)1月1日
- 目的:認知症の人が尊厳を保持しつつ希望を持って暮らせる共生社会の実現
基本理念(要約)
- 全ての認知症の人が、基本的人権を享有する個人として、自らの意思によって日常生活・社会生活を営むことができること
- 国民の理解の深化、認知症の人を含めた全ての人が個性と能力を十分に発揮できるようにすること
- 認知症の人と家族の意向の尊重
- 認知症の人と家族にとってより良い暮らしと社会の実現
- 科学的知見に基づく研究の推進
- 教育・職業・地域社会への参加機会の確保
国・自治体の責務
国の責務
- 基本理念に基づく認知症施策の総合的な策定・実施
- 2024年12月3日「認知症施策推進基本計画」を閣議決定
都道府県・市町村の責務
- 地域の実情に応じた施策の策定・実施
- 認知症施策推進計画の策定が努力義務(市町村)
- 多くの自治体が介護保険事業計画(第9期:令和6〜8年度)と一体化して策定
介護事業所への影響
1. 認知症ケアの体制強化
認知症の人の権利擁護・本人の意思尊重を重視した支援が、より強く求められます。身体拘束適正化・虐待防止の強化と連動しています。
2. 認知症対応型サービスの推進
グループホーム・認知症対応型通所介護等の特化型サービスの役割が一層重要に。
3. 職員教育の充実
認知症介護実践者研修・認知症介護実践リーダー研修・認知症ケア専門士などの取得を推進。
4. 地域連携の強化
認知症初期集中支援チーム・地域包括支援センター・自治体との連携が不可欠に。
現場で意識すべき5つの視点
- 本人の意思を最大限尊重するACP・人生会議の実施
- BPSDへの薬物に頼らない対応(環境調整・心理的アプローチ)
- 家族介護者へのレスパイト・支援
- 地域住民への啓発(認知症サポーター養成)
- 就労継続支援・社会参加機会の確保
関連記事
認知症基本法 解説、認知症ケア計画書テンプレート、BPSD対応の基本もご参照ください。
出典
- 共生社会の実現を推進するための認知症基本法(e-Gov法令検索)
- 認知症施策推進基本計画(2024年12月3日 閣議決定)
- 厚生労働省「認知症施策」関連告知


